災い - 細胞文列

手書きブログにも飽きて久しいところですが、今日の自分のお気持ち表明だけは文章にしたいと思い、つらつらと書き留めておきます。

自分は元々地元でラップをしていました。兄の影響とはいえ、イカつい人たちに囲まれながら暗くて怖いクラブでマイクを握っていたのは、自分の性格を考えると奇跡に近い行為です。

とはいえ根っこは根暗。地元のイェイイェイオラオラな人たちとはノリが合わないなと思いながらも、そのノリが楽しさに還元される時もあって、自分と違う価値観の人と音楽をするのは学ぶことが多かったです。

その後アニソンでDJをやるようになり、今はオールジャンルでとにかくなんでも好きって感じのDJをするようになりました。

ヒップホップの畑とは疎遠になったりもしたんですが、不思議なもので歳を重ねるごとに、数年前のヒップホップ仲間とか、さらにその仲間であんまり話したことないけどあぁ〜名前は覚えてるな、みたいな人と再び繋がる機会が増えてきました。

昔を思い出すたび、今までやってきたことはいい経験になっていたんだなと実感し、さらに、ヒップホップの人たちとまた何かできたらウケるな〜、とか考え出します。

そうだ！mixiしかなかった時代から今はツイッターインスタの時代よ！昔知り合いだったヒップホップな人たちをSNSで覗いてみよう！と色々探り始めました。私はネットストーカーが趣味なので。

そこで見つけたのは痛いまま歳をとって政治的発言や不平不満ばかり発信しているアカウント。政治批判、イベント告知、芸能人批判、イベント告知…。

ノリの合わない感覚が戻ってきました。ギャグセンスも違えば、なによりこの「思想」の違い。いや、どんな思想でも構わないけれど、インターネットで、いい歳して、他人の否定しか発信できない下品さが苦手だったんだ。

でも痛さに関しては自分も負けていないので、仕方ないとする。

そこからコロナ禍に入ります。

見なければいいのに、ネットストーカーの私はふと思い出してはそういうアカウントを見に行ってしまう。

案の定、ワクチンは打たない、マスクはしない、でも飲食店が可哀想。みたいな。そんなヒップホップ。

何度も言うけど思想は自由。過激なことも、エロいことも、残酷なことも、いくらでも思い描いて仕方のないことだけど、それを「みなさんもそう思いますよね？」みたいな顔で共感を得ようとするのがキツい。コロナ禍でそこらへんの発信がよく目につくようになった。

たとえばマスクに関して。マスクに効果ないって思うのはもう自由。「お前がそう思うんなら」っていうやつです。でも、意地でもマスクしないで捕まる人とか、意地でもノーマスクでお店に入る人とか、その協調性の無さ、社会性の欠如が私は苦手なんです。たかがマスク一枚つけるのが納得できないとか言って周りに迷惑をかける、その行動が苦手。

普段はしっかりと他人の批判するのにイベント後は「昨日マジ飲み過ぎてグロッキーっす」とか言ってんの。いい歳して悪い酒飲みアピールもなかなかキツい。

やっぱりもう地元のヒップホップ(あくまで一部なのはわかっているけど)の人たちと仲良くやるのムズイな…仲良くする機会もないけど…と思っていたら、今日起こった安倍元総理の事件。

さすがに人の命関わってるし、まさかな…と思いながらまたそういうアカウントを覗きに行くと「ツケがまわってきた」「残念だけどそれだけのことはした」「こういう世界を選挙で変えよう☆」みたいな。そんなことばっかり。

マジでキツい。今までで一番キツいぞ。これが一人二人じゃなく、クラブ関係者みたいな人たちが複数でこの意見。マジでか。暗殺まで同調するのがこの界隈のノリだとしたら相当キツい。

自分だって安倍元総理を良く思っていたわけでもないけど、これを仕方ないで片付けるほど残酷な感性は持っていない。どの政党でもどの人でも、賛同できることもあれば、それはちょっとどうなのっていうところもある。

どこからラインを引いているのかわからないけど、ここまでのことしたなら暗殺止む無しって考え方が当たり前な人が集うクラブイベント、少なくとも自分は行きたくない。その思想を持ったメンバーがいるヒップホップグループが、さも岩手を代表するみたいな顔でメディアに出てほしくない。

昔は斜に構えて地元のヒップホップはあまり好きじゃなかったけど、今聴くといい曲いっぱいあるし、まだまだ新譜出てるじゃん！みたいなテンションで音楽を楽しみたかったのに、今回の件で本当に残念な気持ちになってしまった。

作品に罪はないって言う人もいるけど、生き様を示したり言葉を重視するヒップホップは、特に作品とアーティストを切り離せないジャンルだと思う。この思想がわからないならついてくるなっていうくらい。

世の中にいろんな思想があるのは仕方ない。向こうから見れば自分の考え方も平和ボケって言われるのだろう。

自分の納得いく作品作りと、お仕事と生活と、たまに楽しいイベントができればいいかなと思うようにする。無理して思想の違う人に近づこうとするのは気持ちが辛い。と思った一日でした。もしノリが合う人がいれば、一緒に楽しいイベントをやりたいなと思う。

明日は歯医者に行きます。口は災いの元なのはラッパーが一番良くわかってるのでナ。