ルート解除

中学生の頃、友人に連れられてサッカー部に入っていましたが、運動音痴がスポーツなんてできるはずもなく、3年間何もせず過ごしていた経験があります。

なのでサッカーのことは素人並みに全然わかんないんですが、昨日のワールドカップの試合はなんとなく、どんな状況だったのかくらいはわかります。(なぜならニュースで説明されてたから)

で、相変わらず批判する人多くてうるさいなぁと思いながらツイッター眺めてましたが、賛否分かれてるところが人柄出るなぁって思ったんで、日記にまとめておきます。

 

 

早速かなり話逸れますが我慢して読んでくれると嬉しい。

僕はダメな人間なのでゲーム実況動画をだらだら見ることが多いんです。で、最近見た中で最高に面白いゲームがありまして、タイトル言いたいんですが、実況動画見ただけで堂々と作品紹介するのはちょっと後ろめたいので、なんとなくでなんのゲームかは察してください…。

ストーリーはそんな遠くない未来、アンドロイドが人間のお世話をしている世界です。家事手伝いやコミュニケーションの相手として、人間そっくりのアンドロイドが人々の生活に溶け込んでいます。しかしアンドロイドを粗末に扱う人間も多く、普段は従順なアンドロイドの中に、だんだんと自我を持ち始める個体が発生してきます。自我を持ったアンドロイドはその状況を脱するために犯罪を犯してしまいます。これらのアンドロイドはシステムと違う行動をとるため、変異体と呼ばれます。
そんなアンドロイド関連の事件を解決する、アンドロイド嫌いの人間の刑事と、アンドロイド刑事(メイン主人公)の二人組。次第に謎の変異体の組織に近づいて行きます。
これからあたしたち、どうなっちゃうの~!?
みたいな話。

ゲームはこの主人公を操作して事件の手掛かりとなる証拠をサーチしたり、会話やアクションシーンでは選択肢を迫られます。人間らしい発言をすれば「システムのエラー(変異体みたいな行動とっちゃダメよ)」とされ、アンドロイドらしい無機質な発言をすると「正常」となります。この選択肢の積み重ねでエンディングのルートが変わるそうです。ちなみに操作できる主人公は、アンドロイド刑事の他にもあと二人います。

ストーリー自体は映画や漫画でありきたりかもしれませんが、これをゲームにすることがすごく大事で、自分の選択肢次第で、近くの人間や世界の人々の、アンドロイドを見る目が変わります。このストーリーの分岐の量も尋常じゃない。

 

例えば自分がアンドロイドだとして、目の前に他のアンドロイドを虐待している人間がいるとします。それを見過ごせず止めに入り、勢いでその人間を殺してしまうとします。そうすると、世間には「アンドロイドは危険だ!」という意見が多くなりますが、虐待されていたアンドロイドの命は助かります。

逆に、止めに入ることができず、アンドロイドが虐待されたまま壊れたとします。この虐待がニュースなどで大きく取り上げられるようになれば、世間は「アンドロイドが可哀想…」という目で見てくれるようになります。しかしアンドロイドの犠牲は多いでしょう。

この二つの選択肢、そもそも自分がアンドロイドじゃないので想像が難しいかもしれませんが、ゲームの世界では多くの人が前者の行動を取ると思うんです。目の前で青い血を流す同種族を見殺しにはできないでしょう。

でももしこれが現実だったとしたら、実際に助けることができますかっていうとこなんですよ。誰かが殺されないために、自分が誰かを殺せますかっていう選択になったとき、わざわざ自分の手を汚すことはなかなかできないかと思います。そしてそれはそれで「アンドロイドの虐待をやめよう!」という運動に繋がる可能性があるわけです。

ゲームの中ではそんな選択が大量に出てきます。「足が動かない!お前たちは先に行け!」『助ける!?助けない!?』の連続みたいなもんです。僕が見た実況者さんはなるべくアンドロイドの命も人間の命の奪わないような選択を選んでいました。僕もそうすると思います。

でもやっぱりそれはゲームの世界なのであって、もし現実で起きた場合、自分を危険に晒してまで手負いの仲間を救えるのか。二人が助かるかもしれないけど二人とも死ぬかもしれないルートと、一人は確実に死ぬけどもう一人は確実に生き残るルート。どっちも不正解じゃないと思うんです。

 

 

 

サッカーの話に戻ります。

詳しくない僕がなんとなくで把握した昨日の試合は、「ダサいけど(ほぼ)確実に決勝トーナメントへ進めるルート」と、「かっこいいけど下手したら決勝トーナメントに進めないかもしれないルート」に分かれ、日本は「ダサいけど(ほぼ)確実に決勝トーナメントへ進めるルート」を選んだと解釈しています。そしてそのルートを選ぶことによって「世間からはブーイングが多くなる」と、「決勝トーナメントへ進む」という実績が解除されました。逆を選べば、この実績も逆のものになります。

「世間の目」と「決勝進出」を比べた時、自分が監督だったらどっちのルートを選ぶのか、また自分が選手だった場合、その指示に従うのか従わないのか。それぞれの決断が交差して世間の意見が大きく動いたのが、とてもあのゲームみたいで、ちょっと面白かったです。

 

あと、先ほど書いた通り、ゲームでは誰かを助けたり、理想のヒーローらしい選択を取ることがほとんどだと思います。そしてそれは現実で自分ができない選択である場合が多い。

サッカーというかスポーツ観戦っていうのは、自分にできない最高のプレー(選択)を選手に期待しているものです。自分でできていたら、きっとテレビの前にはいないはず。たぶんゲームの主人公にかっこいい行動をさせるのと一緒の感覚なんだと思います。

なので、今回の「ダサい進み方」を非難している人たちは、いざ自分がその状況になったら「ダメだ!ここは日本男児らしく点を取っていくぞ!」なんて決断、絶対にしないタイプがほとんどじゃないかなって思いました。

サッカーに詳しいとか詳しくないとかそういうことじゃなく、単純に「自分がその立場だったらどう思うか、考えてみましょう」みたいな、小学生で習うようなお気持ちの整理が足りない人が多く見られるなって感じました。

でも、スポーツやるのも見るのも興味ない僕も、少しだけサッカーが気になるくらいにはもりあがっててとてもいいなとおもいました。おわり。