なんのピロシキ

大晦日です。ところでアニメの『ユーリ!!! on ICE』が最高でしたということを言いたい。

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絵もストーリーも演出もテンポも音楽もすべて好きだったので最後までスルッと見れましたし、フィギュアスケーターのキャラクター達の葛藤が、DJでも同じことが言えるなと感じて見ていました。おそらく見る人によってそれぞれ重ねる姿が違うと思います。

 

演技を途中で失敗しても、それを持ち直せるくらいの技術と強い精神があるかどうかが大事で、「ここで失敗したから次の技で巻き返そう」っていうのは、DJの「思っていたよりお客さんの反応が薄いから、次に流す曲はもうちょっと考えないとな」とか、「思ったより時間がオーバーしそうだから、流せる曲はあと数曲だな」とか考えてるときの気持ちに似ているような気がして、失敗したときに落ち込んでいたら絶対に駄目なんですよね。

 

スポーツに疎い僕はフィギュアスケートが技術と演技の二つで採点していることもこのアニメで知ったんですが、選手の中には技術があるけど演技がイマイチな人がいたり、逆に気持ちを込めて演技力がずば抜けていても技術がそこそこな人がいたり。

DJでもめっちゃ繋ぎうまいのに表情がつまんなそうな人がいたり(それはそれでかっこいい人もいるけど)、楽しそうに動いてお客さんをノらせてるけどよく聞くと繋ぎはからっきしな人もいたり。

あとは選曲のセンスとか、その曲はお客さんに合わせたものなのか、自分がどうしても使いたかった曲なのかとか、普段の性格だったり、交友関係だったり。

色んな人がいるけど、スケートリンク(DJブース)に立つときは一人で自分と戦わなくちゃいけなくて、でもやっぱり自分一人の力では限界があって、周りの人たちの応援や嫉妬が必要だったり。

そして最終的には技術力とか演技力は当たり前に必要になってきて、一番大事なのは精神面の管理で、そこが落ちただけですべて台無しになるくらいの結果になってしまうんだけど、それはどんなプロでもモチベーションを保つのは難しいことで、んーーー勉強になるというか、改めて確認させられるっす。

 

あとそういう視点で特に印象的だったシーンがあります。

主人公の勇利が演技するとき、いつもコーチのヴィクトルのことを思って滑ってるんです。ヴィクトルを惚れさせるくらいの気持ちで「僕のことを見てて!」状態なこと。大勢のお客さんが見ているのに。

少し話は逸れますが、某有名フェスの主催の方が「イベントをやって誰が一番幸せになるかを具体的に想像すると、成功するかもぞい」って感じのことをブログに書いていました。

そしてずっと前にテレビで見たんですけど、歌の先生みたいな人が歌下手な人にうまく歌う方法を教えるという番組で、その先生が「誰か一人大事な人に必死で伝えようとすれば、結果的に多くの人間の心を揺さぶることになるぞい」的なことを言っていました。

多くのお客さんを魅了するにはそれぞれの好みに合わせてやらなきゃいけなくて…でもみんな好み違うしな~とかいう安い思考に陥る自分にとって、この「誰か一人を確実に感動させなさい」という教えには、いつもハッとさせられます。今回もユーリにそれを言われた気がしました。

パフォーマンスを披露する上での必死さや想いっていうのは、不思議と事情を知らない人にも伝わるものです。もちろん大勢の顔が浮かべばいいのでしょうけど、一人にでも確実に想いを伝えるようなプレイが必要じゃないでしょうか。

大好きなラッパーShing02のインタビューで言うところの、「ヒップホップをやることが終着点じゃなくて、ヒップホップを使って何を伝えるかが大事だから」ってやつですね。たぶん。違います?え?違います?

 

あとあとあともうひとつ。一番やべぇ、DOPEでILLMATICなセリフだと思ったのは、ヴィクトルの「他人のモチベーションをあげられない人間が、自分のモチベーションをあげられるのかい?」です。逆だと思ってました。確かにその通りですね。

 

 

とにかく良いアニメでした。ちょっと無理して「DJ的には~」って感じに感想を書きましたけど、もう本当にそんなの関係なく最高のアニメでした。劇中曲CDまだ買ってません。買う用意はできています。よろしくお願いします。皆さん、よろしくお願いします。

 

 

 

大晦日ですね。あと一時間ほどで年が明けます。今日は鼻毛を抜きました。良いお年を。

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