ミッドサマーの地雷除去作業

ジャンルがフェスティバル・スリラーと分類されている「Midsommar」っていう映画を見たんで、その感想というか雑記を。

 

ネタバレされても平気な人間なので(ミッドサマーはそもそもすぐに見るつもりなかった)あらすじやらネタバレやら感想をネットで読み漁り、その後自分以上にミッドサマーに興味を持ってしまった妻に誘われ、震えながら夫婦で映画館へ出向きました。

そういえばブログで書いてませんでしたが僕結婚しました。絶対こんなタイミングで言う事じゃないですよねスイマセン。ホンマこれからもよろしく。

で、僕としてはめちゃくちゃ面白くて一気に好きになった作品だったんですけど、いかんせん人を選ぶ映画なのは間違いないので、少しでもミッドサマーに興味がある人の背中を押せるように、そしてマジでこういう作品が無理な人が犠牲にならないように、僕なりの感想と注意事項を書き残しておきます。なのでネット(主にツイッター)で言われている要素が実際どうなのか、少しネタバレを含みながら書きます。その後、ブログの終盤ではガッツリネタバレした自分の感想を書きます。ネタバレ一切見たくない人はブログを読まず、予告映像だけ見て映画館行った方が楽しめますよ。

一応ミッドサマーのあらすじ▼

家族を不慮の事故で失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人と共にスウェーデンの奥地で開かれる”90年に一度の祝祭”を訪れる。美しい花々が咲き乱れ、太陽が沈まないその村は、優しい住人が陽気に歌い踊る楽園のように思えた。しかし、次第に不穏な空気が漂い始め、ダニーの心はかき乱されていく。妄想、トラウマ、不安、恐怖……それは想像を絶する悪夢の始まりだった。

 

なんとなく思いついた順に書いていきます。

 

 

 

・まず普通にグロい

よくある感想で「ホラーとグロが苦手の自分でも楽しめました!」っていうのが多いんですけど、ナチュラルにグロいです。みんなちょっとグロ耐性のハードルを下げすぎでは。映画に限らずそういう作品に慣れてる人ならいいけど、普通の人は人間の内臓をまじまじと見る機会などない。

ただ、「フェスティバルスリラー」ってジャンルがしっくり来るくらい、バッチリのホラーではないことは確かです。

 

・びっくり要素がほぼ無い

僕は怖いものや気持ち悪いデザインがそこそこ好きなんですけど、大抵のホラー作品にあるびっくり演出が嫌いです。なぜならビビリだから。どんなに気持ち悪いクリーチャーがいても初対面が「バーーーン!!!」だと「びっくり」が「気持ち悪い」に勝ってしまって、全然その気持ち悪さを楽しめません。あとビビリだから体に電気走ったのかってくらい動いちゃう。隣の席の人ごめん。

その点ミッドサマーのなんたる気持ち悪い事。オカンがスーパーから帰ってきてビニール袋から人間の舌と耳を出してきたみたいな穏やかなグロさです。

ゲームで言うとサイレントヒルSIRENの敵キャラが好きな人には重要な要素では無いでしょうか。

長時間明るい画面なのに嫌な予感がするシーンが続きます。それがこの映画の醍醐味なんですが、早くその空間から抜け出したい気持ちに駆られるので、何か事件が起こったあとは逆に安心さえします。じわじわと心を蝕むような映画。

 

・とはいえびっくり要素もある

とはいえです。たまにあります。でもビビリの僕が座席から2センチ浮くくらいで済むびっくり。映画を見進めると監督の性格の悪さがわかってくるので、びっくりはするものの、なんて言うか「おい悪戯すな!」ってツッコミたくなるような、見てる人に不快感を与えるように置いたびっくりだなって分析できます。

 

・身内に自殺者がいる人は危険

あらすじにも書いてありますが主人公が家族の死をどう乗り越えるか、みたいな部分も重要になります。なので、必然的に身内に自殺者がいる人は自身のトラウマが出てきちゃうかも。これはツイッターでよく注意喚起されてましたね。

 

・なかなかヤバイエロシーンがある

エロシーンがありますがこの作品の雰囲気の流れでのエロなので、エロくともなんでもない。ただ、エロ描写が苦手な人が見ると結構不快になるそうなので、念のため注意です。

ちなみに演出のせいでこのエロシーンは笑っちゃいそうになる人多いと思います。僕も純粋に笑いそうになりました。

 

・音がキモい

最初に貼った動画とは別の予告編とか見てもらうとわかりますが、音楽とか効果音がめちゃくちゃ気持ち悪い。大画面で見るグロ映像よりも、大音量で聞かされる不安になる音が一番怖くて、この映画を形作るうえで欠かせない要素だと思いました。映画館で見てもらいたい理由の一番はこの音響の素晴らしさかも。

 

・人間関係ギクシャク

映画の序盤、主人公と彼氏の友達仲間で旅行の計画を立てるシーンがありますが、この時の友人たちの主人公への接し方が見ていてしんどいと言う感想も目にしました。友人の彼女が精神的にちょっとヤバくて自分たち仲良しチームと一緒にいようとするんだけどそいついると気まずいよな…って感じです。僕は「こういう人いるけど本人が悪いわけじゃないよなぁ」とか、「自分も空気読めない時あるよなぁ」ぐらいの感覚で見れましたけど、念のため注意。

 

TRICKっぽい

これあんまり言いたくないんですけど、ツイッターで言われている通り、ドラマのTRICKに近い雰囲気はあります。全体を見ると明るい場所で行われるおぞましい行為の連続なのでイカれてるように見えますが、監督は次回作でコメディを撮りたいとか言ってるように、笑いの要素も狙って入れていると予測できます。

TRICKでよくあるボケとして、真面目なシーンで誰かが突然素っ頓狂な発言をし、効果音で「ポウン」とか「シャーン」って鳴っていますが、その効果音が無い状態って感じです。シュールな笑いなので笑いどころが分からない人は分からないだろうし、ホラー映画に慣れてて気持ちに余裕がある人は「今の笑っていいとこだったんだろうな」って分かります。ストーリーとして小さな村の謎のお祭りってところがTRICKっぽいのは言わずもがな。それよりもギャグのタイミングがTRICKでした。

 

・失恋映画

ミッドサマーを見た人が「ハートフルな映画ですよ!」って冗談で言ってるのと違って、監督が「ファンタジー映画です」とか「自身の失恋からこの映画を作りました」とか言ってるのが、冗談じゃなくマジの発言なんだと、映画全編を見ると理解できます。見る前はホラー映画の新しいジャンルだ!とか思っていたのに、見終わるとそもそもこれはホラーなのかって考えてしまう。誰の目線で見るかによって内容が全く違って見えてきます。誰が幸せになって、誰が不幸だったのか、本当に幸せなのか、色々考えたいのに強烈に思い出すのは圧倒的なグロ描写で、だけど背景はお花畑と青空で。僕みたいに映画を作り物だとわかっていても感情移入しやすい人からすると、「あの村の観光行ってきたんですけど俺だけマジ殺されなくてよかったっすワ…」みたいな感想しか出てきません。このブログもいつホルガの村の人たちに見つかるか。怖。

 

 

書いたーーー

久々に文章書くとしんどいっすね。最小限のネタバレで言えるのはここまでです。

なんか自分で見に行ってるのに「この描写がめちゃくちゃ不快だった」って感想も多かったので、みんなの地雷を回収するような文章になっちゃいました。ミッドサマー気になってこんなところ読むのは知り合いだけだと思いますが、映画見てトラウマになってほしくもないので。僕はいい意味で記憶に残りましたけど。

嫌〜な要素を多めに書きましたけど、映像美が本当に素晴らしい映画だと思います。地雷は大体書いたので、それでも大丈夫そうな方は是非映画館へ。

 

 

 

 

ここから下はネタバレもしますし、読んでいる人がもう見たテイで書きます。それでは〜。

 

 

 

 

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